脳の中の身体地図―ボディ・マップのおかげで、たいていのことがうまくいくわけ
自分の体を、そして他人の体を、どうやって脳が知覚しているのか。運動スキルの習得や文化が脳をどう変させるのか。面白いですね。脳の可塑性に関する本を読むと、なんとなくやる気が出ます。
以下、気になった用語、エピソードのメモ。
ペンフィールドのホムンクルス
人間の体性感覚皮質を描いたマップ。体の各部位からの入力が、感覚皮質のどの部分に投射(projection)されているかを示したもの。運動スキルの獲得と脳の変化
身体的練習、もしくは運動イメージ練習(メンタルトレーニング)によって、対応する脳の領域は拡大する(接続が効率良くなることで、時期によっては小さくなることもある)。また、複雑なスキルを徐々にマスターするに連れて、そのスキルに必要な"運動プログラム"が前頭皮質の高次領域から低次領域へ、皮質下の構造へと次第に降りてくる。
幻肢
なくなった四肢に対応する脳の領域の周辺の神経線維への刺激によって発生する。
文化と知覚
ジャングルの虎の写真を見せられたアメリカ人の視線は、虎に釘付けになる。一方東アジア人は同じ写真を見ると、背景の被写体を凝視し、時折、虎に目を移す。
など、育った文化によって環境の知覚の仕方が変わることがある。
場所細胞とグリッド細胞
海馬(記憶形成領域)と結びついて空間をマッピングするニューロン。
場所細胞は、周囲の具体的な目標物と関連付けて自分の居場所を教えてくれる。
グリッド細胞は、目標物をあてにせず、環境とは無関係に空間をマッピングする。
…まぁよくはわかっていないのですが、そういうものがあり、一流のスポーツ選手はそれらが高度に発達している可能性が高い、と。
アバターに左右される人格
アバターの身長が交渉相手よりもちょうど15cm低いと、交渉の終わりにまったくもって不公平な条件をのんで引き下がる可能性が倍になる。
バーチャルリアリティの応用
スピードを落とした環境で運動スキルを育てれば、普通よりはるかに速く習得できる。
ジャグリングによる実験で効果を上げ、リハビリの手段として活用されている。
脳の中の時間旅行 : なぜ時間はワープするのかに続いて、科学系の読み物。どちらも面白かったです。同シリーズの プルーストとイカ―読書は脳をどのように変えるのか?も読み終わっているので、一息ついたら感想を書き留めておきたいです。
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