最近自分の周りで話題になっていた『エッセンシャル思考 最少の時間で成果を最大にする』という本を読みました。納得できる指針、わかりやすい具体例、明確なアドバイスと三拍子揃っており、かつ訳書にありがちな不自然な文体もなかったので、とても良い本だったと思います。いろいろな事に中途半端に手を出しがちな自分にとって、目標・行動の見直しのきっかけと指針になりました。
内容の紹介と、後で読み直す際の参考を兼ねて Part 毎に、簡単に内容をまとめます。
Part 1. エッセンシャル思考とは
原著は『Essentialism: The Disciplined Pursuit of Less』というタイトルで「Essentialism」は「本質主義」(Wikipedia)と訳されますが、ここでは、"自分の本質とはなにか、自分が大事にしているものは何かを見定めて、やる事とやらない事を自分の意志で取捨選択していく思考"のようにまとめられるのではないかと思います。重要なのは自分の意志で選ぶこと、また、取るだけでなく捨てる事も必要になることです。
「やらなくては」という思い込みを捨て、「どれも大事」という幻想を捨て、「全部できる」という自惚れを捨てることで、初めて重要なことに集中できるようになる、と説いています。
「教えてください、あなたは何をするのですが/その激しくかけがえのない一度きりの人生で」 メアリー・オリバー
Part 2. 見極める技術
当然取捨選択を行うにあたっては何を選ぶか、どのように選ぶのかが問題となります。Part 2. では以下の5つの章で、正しい選択を見極めるためのコツと条件を挙げています。
- 孤独:どんなに忙しくとも、考えるための時間と環境を確保する
- 洞察:情報の量や声の大きな意見に惑わされず、大局を見る
- 遊び:創造性と探究心を忘れずに、何が楽しかったか、楽しいかに意識を向ける
- 睡眠:洞察力、発想力を発揮し効率よく成果を挙げるためによく眠る
- 選抜:明確で正しく、厳しい基準を採用し、悪くない、程度の選択肢は全て却下する
Part 3. 捨てる技術
Part 3. では捨てる技術として、本当に重要なものを選ぶために、不要な物事を「捨てる」技術を紹介しています。Part 2 の「見極める」技術と近いものがありますが、より具体的な方法論となっています。
- 目標:「かなり明確」では不十分、魅力的でかつ測定可能な「完全に明確」なものにする
- 拒否:断り方を覚えて勇気を持って上手に断る
- キャンセル:「授かり効果」(自分の持ち物を高く評価する心理バイアス)を回避するため、途中まで進めていたプロジェクトや既に持っているものに対して判断を下す場合は「まだ持っていないとしたらどれくらいのコストをかけて手に入れようとするか」を考える
- 編集:削除、凝縮、修正を日々繰り返し、自分の生き方から不要なものや余分なものを削って本質を維持する
- 線引:譲れないラインを引き、自分の領域を確保する、また、他人の領域に手を出さない
Part 4. 仕組み化
Part 4 では Part 2, 3 で解説した考え方や方針を維持するための心構えを説きつつ、エッセンシャル思考のメリットについてまとめています。
- バッファ:最悪の事態を想定して準備と計画を徹底的に行う
- 削減:成果を産まない努力をやめ、目指すことを明確にしてそのボトルネックを取り除く
- 前進:日々の進歩を大切にし、地味に着実に勝ち続ける
- 習慣:重要なことをやることが普通の状態、となるよう、ひとつずつ良い習慣を身につける
- 集中:過去や未来にとらわれず、今重要なことにひとつずつ集中する
- 未来:エッセンシャル思考を体に染み込ませることは後悔なく生きることに繋がる
2015年の目標を立ててから約 2ヶ月が経過し、調度良い見直しの時期なので、この本を参考にしつつもっと絞った目標に修正して、より実りのある1年を過ごせればと思います。
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