2015年3月15日日曜日
『ニコニコ哲学』 感想とレビュー
ニコニコ哲学-川上量生の胸のうち を読み終わりました。
ニコニコの在り方や、オープンな市場の問題、採用について、など、様々な内容について語られており、どれも面白かったです。インタビュー形式で読みやすく、短めなのもよいです。
以下、特に興味を引いた考えの一部。
IT業界も成熟して、うまいことやるのは難しくなった。そうなると、むしろ誰もやらない大変なことにビジネスチャンスがある可能性が高くなった。徒労に終わらないような大変なことを探す。これが、たぶんIT業界の次のステージの課題。
オープンになりクリエイターが増えるほど、人気がでるもの、売れるものの多様性は減る。みんな等しく成功のチャンスもクリエイターとしての価値も減る。
コンテンツ市場が成熟すると、コンテンツの中身よりもブランドが評価される。
才能=希少性。能力のレベルが高くても、競争相手がたくさんいる業界で認められるのは大変で、1位と2位の差は小さくなる。希少性の高さと能力の高さは違う。
一人ひとりが「お山の大将」になれる世界の方が幸せ。それを許さず「全国的に見ればお前はこの程度」と突き付けるのがインターネット。お山(小さいコミュニティ)をどう作るかが次のネットのテーマ。
「これに賭ける」という思いで思考を停止するのは間違い。必要なのは勇気ではなく計算。
通年採用ではスキルのない人は就職できない。将来のポテンシャルなんて考慮されない。新卒採用で「強者」側の高学歴組の中で、通年採用でも「強者」でいられる人はほんの僅かであり、新卒採用の「弱者」も通年採用になればどうなるということはない。
オタクは「敵に回すとおそろしいが、見方にすると頼りない」
「夢」とは長い間満たされない欲求のこと。持っているから偉いということはない。
オタクの特徴は自分が正しいと思っていること。コミュニケーション能力が低くて、社会では居場所がないから、自分で自分を褒めるしか無い。
個性は非論理的な部分にしか残らない。論理を突き詰めていくと同じ帰結に達する。
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