2014年11月15日土曜日

『ZERO to ONE』 感想とレビュー




ゼロ・トゥ・ワン 君はゼロから何を生み出せるか』読了しました。

自分なりに本書の主張を箇条書きでまとめると、以下の項目になります。
  • 「リーン」に代表されるような、ユーザの声を聞いて少しずつ改善していくという手法では真に革新的なことはできない。自分なりのビジョンと計画を持って大きく賭けろ
    • 例えば Apple の製品はジョブズのビジョンの結晶である。
  • 競争下では最終的に全体の収益が消失する。他ができないことを行う、という意味での独占は善である
    • 独占しているかしていないか、独自性はあるか、ということを見極める上で、競争範囲の定義は重要である。範囲を狭く定義して独占を主張しても意味が無い。
  • 販売・売り込みは必要。方法には考えが必要。
    • 「あの会社はそんなことせずに成功したじゃないか」と思うのであれば、優れた売り込みに気づいていない。
  • 良い未来は創れるという希望を持ち、自分の頭で考えよう

この辺りの主張については、本書を読み進める中で、十分な説明やエピソードが紹介されており、なるほどと思え納得はしており、それは興味深く読めたのですが、「さてではどうするか」、というのが難しいですね。結局のところ「新しいことを自分の頭で考えよう」の一言に尽きる気はしています。

一人の会社員、社会人としての行動指針に落としこむと

  • 「こうして欲しい」という要望を待たずに「こうすれば良いのは」と提案できるように考える
  • 既存のプロセスを鵜呑みにせず、本質的な問題をより効率よく解決するために他の方法がないか考える
  • (独占的な)強みとなる技術を身につける

といったところでしょうか(なんだかとてもスケールが小さな話になってしまいましたが…)。

Amazon.com、Amazon.co.jp でもランキング上位にあり、結構なレビューの数が付いていることを見ると、起業家(もしくは起業家を目指している人)以外にも多くの人がこの本を読んだのだと思うのですが、そういう人がどのようにこの本を消化して、どのように行動を変えようと思ったのか、という考えを聞いてみたいものです。

また、この本を読んで、以前読んだ『コピーキャット―模倣者こそがイノベーションを起こす』を再読したくなりました。こちらの本はこちらの本で、納得できる内容であり、とても面白かった覚えがあります。


おまけメモ。Amazon で「序文いらない」というレビュー投稿を見たのですが、それにはちょっと同意しました。冒頭で、あなたの書籍の推薦依頼を受けるかどうかのポリシーを語られてもね、という。それ以外の内容は普通で特に気にならないのですが。関係のないこと(特に見方によっては自慢のように思えること)を書くと余計な印象を持たれてしまうかも、という戒めにメモしておきます。

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